日曜日になったら 詩 黒部 節子
日曜日になったら 遊園地へ行こう
そして あの くるくる まわる
木馬に 乗ろう
小さい時にしたように 固い木の鞍にまたがって
音楽の中 ゆれながら まわりながら
お菓子の匂いで いっぱいな
にぎやかな 空に混じって行こう
けれど 小さい時にしたように
もう あんな 大きな声では歌えない
お日様が いくら眩しいからって
もう あんなには 笑えない
まわる まわる 木馬のむこう
それでも 大人になった私たちは
日曜日になったら もう一度
遊園地へ 行こう
そしてあの 楽しい めまい
木馬に 乗ろう
『日曜日になったら』は2作目の合唱曲になります。
初演は1983年ですが、1作目の『遠い日へのヴァリエーション』と比べると演奏の困難な所があり、
大変に演奏者から不評でした。
当の私の方は逆に気に入っていたのですが、これも作曲する者の宿命とあきらめています。
単独で演奏される曲ですが、対位法的に大変入り組んだ構造になっています。
当時私の頭にあったのは、空間的広がりを持つオーケストラ化した合唱、と言うことでした。
このことは『遠い日へのヴァリエーション』作曲時も常に意識していたのですが、
なかなか実現できなかったことでした。
結果このようなスタイルになった訳ですが、その分演奏者の負担も大となったように思います。
日曜日の朝、遊園地へ出かける時から遊園地の閉園までの1日の様子を感じていただけたら、
と思います。