コロンボの 空港で買った 2つのタバコ
そのうちの ひとつが もう ほとんど無い
こうして 私のまわりから
スリランカでの記憶が ひとつ ひとつ
薄れて いくのだろうか
プリヤ幼稚園で 傷めた手を
気づかってくれた シャンテ
傷は まだすこし 痛みが残っている
やがて この傷も すっかり 治ってしまうだろう
空港で コーヒーをすする
となりで 若い男女が いかにも
日本の 若者らしい会話を している
壁の向こうからも 元気の良い声が 聞こえる
その時 突然 私には それらの声が
まるで 意味不明な 外国の 言葉のように 感じられた
シンハラ語を 初めて聞いた時の 感覚に似ていたが
なぜか その男女の言葉は むなしく ひびいた
そして やるせない気持ちを
押さえることが できなかった
ここは もう 平和で 豊かな国 日本なのだ
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